硫黄島 戦場の郵便配達

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ピノ・ノワールを飲みながら
録画しておいた「硫黄島 戦場の郵便配達」(フジテレビ)を見る。

その前にシカゴで行われたU2ライブ、
報道ステーション・渡辺謙を見た。

フジテレビのドラマは
正直、どれほど特殊効果がちゃちいものか笑ってやろうかと思って
見てみたのだった。
連れ合いが戦争讃美の色があるのではないかと言うので
そうかもしれないと「確かめてやる!」という気持ちで見てみたのだが。

低予算をカバーすべく(?)、俳優のアップばかりを
これでもかこれでもかと至近距離から撮影していたため、
かえって切々たるニュアンスが伝わってきた。

市丸利之助という人と、彼を敬愛し、ついていった若人たちが描かれていた。
イデオロギー云々と関係なく、
ただもう、敬愛する上司、親しい友人、愛する家族、愛する人のために、
というか、それ以外、選択肢がない状況下で
突き進むしかなかった言行が描かれていた。

市丸の「戦闘機乗りの真価は、
戦闘機を失ったときに問われる」という言葉が心に残った。

市丸の実在のお嬢さん三人、実写で登場。
戦場から家族に届いた手紙の実写が沁みてくる。
フィクションの間に挿入される家族の証言。
「この手紙を支えに生きてきたんです」という言葉に慟哭。
人の文章には言霊が宿っていると常々感じている。
極限下にあったであろう人の手紙とは
一体どんなものだったのだろう。
それがまた「庭の木は今年どんなでしょう」など
平穏無事だった日常を思う文面だったりするのだ。

なんといいますか。
硫黄島の元島民であった宮川典男さんに
今の硫黄島映画ブームを見てほしかったですよ。
私の感想は、そこに尽きます。
今、映画で話題になっている硫黄島は
もとから荒れ果てた戦場だったわけではなかったのです。
沖縄から新天地を求めて移住してくる人がいるほど豊かな地であり、
集落があり、元島民がいたんですよ。

恒例行事は、島の若者たちが参加しての相撲大会。
会場である神社への参道には
子供たちが書いた絵を灯篭仕立てにしたものが飾られ、
それはにぎやかな光景だったそうです。
元島民が普通に暮らしていたんですよ。
今の私たちと同じように、退屈したり、
笑ったり、ときに孤独を噛み締めたり、人に恋したり、
将来に夢を抱いたりしながら暮らしていたんですよ。
その人たちの暮らし、歴史、思いはどこにいっちゃんだろうね。
ということを、もっと突き詰めていかないと。
典男さんは今の日本、これからの日本がどうなるのだろうかと
憂うる人でありました。

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硫黄島関係の作品を北朝鮮の人に無料で見てもらって、戦争の意義、正義の為の犠牲はあってはならないということをわかって欲しい。

硫黄島関係の作品を北朝鮮の人とテロリストの方々に無料で見てもらって、戦争の意味、正義の為の犠牲はあってはならないということをわかって欲しい。

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