へんなどうつぶ

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やまおくの できごとです。
あるはれたひの ことでした。
おひさまは、そらにうかんだ
ふわふわの くもの あいだで かくれんぼ。
あたりの くうきは、
ほんわかと あたたかでした。

「とっても うまいぞ
ーーいい こどもたちの にんぎょうは!」
「ああ どうしたら いいんだろう?」
ボボじいさんは いきつもどりつ 
もどりついきつ かんがえました。
ボボじいさんは、なんとか やんちゃな どうつぶに
にんぎょうを たべることを
わすれさせる ほうほうは
ないものかと かんがえました。

やっとこさ ボボじいさんは いいことを おもいつきました!
そこで ボボじいさん、
へんな どうつぶに むかって こういいました。
「あんたの しっぽは みごとだねえ!」
へんな どうつぶは、にっこり わらって、
うれしそうに しっぽを
にょろり にょろりと うごかしました。

「でもねえ いちばん すばらしいのは、
せなかに ならぶ あおい とげとげだねえ」
と、ボボじいさんは いいました。
へんな どうつぶは これをきくと、
どうしようもないほど うれしくなって、
まるで ばかみたいに じめんを ころげて、
にっこにこにわらいました。
(ワンダ・ガーグ 文・絵 
わたなべしげお 訳 
岩波の子どもの本「へんなどうつぶ」より引用)

つかの間でもよいので無心になりたかったんです。
わたなべしげおさんの文章が持つお力におすがりました。
この文章を読むと、私だけの印象なのかどうか、
朗読してもらっているような、まるでだれかの声が
聞こえてきそうな気がします。

短い時間でも読める。
文字が大きいので、目が悪くなっても読める。
わかりやすい。
別世界へ瞬時にして連れていってくれる。
入りやすく、奥行きが深い。
絵本が人に果たす役割は、
今後ますます大きくなっていくことでしょう。

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