木いちごの王さま

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お客様のもとに旅立っていく絵本たち。
「木いちごの王さま」(集英社 母と子の名作童話 昭和41年)には
トペリウスによる“北国でうまれた暖かい童話”が4本。
「木いちごの王さま」「おしのパーボ」
「そらのっぽとくもひげ」「なみのあしおと」
このころの活字がひじょうに美しく、
中谷千代子さんのイラストとともにページをめくる喜びを思い出させます。
「きいちごのおうさま」(偕成社 カスタム版どうわ絵本 昭和44年)は
中谷さんが初めてダイナベースの手法
(フィルムに4色別々に描き分ける手法)を使って美しく彩っています。

「わたしは、木いちごのくにの王さまなんです。
もう なん千ねんも、この木いちごのもりをおさめています。
しかし、このちきゅうと うみと 空の ぜんぶを おさめているかみさまは、
わたしが この くにの 王として、
けっして うぬぼれないようにのぞんでおられる。
だから、百ねんに一日だけ、
わたしを木いちごのむしにかえ、
その日のあさからばんまでは、
小さなあわれなむしとして いきるように めいれいしました」
(木いちごの王さまの言葉より)

この2冊が海ねこにやってきてくれたことに感謝。
お客様のお目にとめていただき、ありがたいです。
たっぷり楽しんでいただけますようにと願いながら
心をこめて梱包しましょう。

サカリ・トペリウス(1818年~98年)は
“フィンランドのアンデルセン”ともいわれている人。
フィンランド人とスウェーデン人を両親に持ち、
スウェーデン語でたくさんの詩や小説も書きましたが、
なんといっても子どもたちのための物語でよく知られています。

「トペリウスの童話がやさしく美しいばかりでなく、力づよいところがあるのは、
神や自然にささえられた詩人の心が、ゆたかであったためでしょう。
また、この風土を愛する気持と、そこに生まれ育った子供たちを愛する気持が
大きかったからだと思います」
「北国の夜はながく、雪と氷に閉ざされた冬をすごすフィンランドの人々は、
訪ずれてくる春とかがやく太陽の光を何よりも待ちこがれます。
美しい森と湖にかこまれた大自然の中で、
樹を愛し水を愛し、光にあこがれる国民性は、
トペリウスの童話の中で、いきいきと表現され、
まるでつめたい寒い国の太陽の暖かさのように鮮烈です」
(木いちごの王さま 岸田衿子 1961年10月)

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コメント(3)


『木いちごの王さま』
子どものころ、凄くすきだったんですが
捨ててしまい後悔してます。
表紙の画像を見れて嬉しいです。
今はもう、売ってないんですか?
ぜひ教えてください。

すでに品切れです。お役に立てず申し訳ありません。

お好きな方が大勢いらっしゃる本ですよね。

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