何を選び、何を諦めるのか

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休暇中、出先で立ち寄った古本屋については、
機会を改めて。
なかなか深いですね、那覇の古書店は。

休暇あけ、ようやく仕事を再開した。
先月、本の散歩展と倉庫の引越しに追われていたので、
ようやくネット展開に本腰を入れられると
自分でも楽しみにしていた。
お客さん、いい本がたくさんありますよ、
待っててくださいね、の心意気だった。
実際、これだけ市場に通ってますからね。
お金と労力を使って必死に買っているので、
ご紹介したい本がたまっている。
時間があるなら、一日中でも
天気のよい部屋で本を見ながら入力したいと思う。

ところが、現実としては、
ひとりでやっていると、いろいろやらないといけない。
入力にかかりきりになれないのである。
いつ更新されるのかとみにきてくださる方、
お気持ち大変うれしいです、そして、本当に申し訳ないです。

休業あけ、たまっていた発送やら受注対応やら、
問い合わせの対応だけで時間が尽きている。
いや、買取の対応まで、まだ手が回っていない。
お待たせしている方々、本当にすみません。
そこに加えて、市場に行ったり、買った本をとりにいったり、
いらない本を市場に出したりしているので、完全にタイムアウトである。
いのいちばんでやるべきは、
目録「月曜倶楽部」の画像72点分のアップだ。
ところが、昨日作業にかかろうとしたら、スキャナーのソフトが
うまく作動しなかった。
今これからコツコツとやっていかねばといったところ。

オンライン古書店の場合、
どんなにたくさん本を買っても、
良い本を確保しても、入力しない限り商品にならない。
実店舗だったら、本の状態を確認してさっとクリーニングして
値つけして棚に並べればいいのだろう。
実店舗の方から見るとオンライン古書店は
時間に自由があっていいなと思われるそうだが、
こちらから見ると、実店舗のほうがゆったりしているように思えてならない。
ネットで展開している限り、
入力しないと商品化できないのだから。
開店時間・閉店時間に縛られないかわりに、
自分の時間、家族との時間、睡眠時間を調整しながら
入力していくことになる。
飲みに行く時間ないですよ(行くけどね、たまには)。
当店の場合、丸々一日かけて
ようやく10冊ぐらいの入力が精一杯だろうか。
時間が欲しい。
時間がかかるので、ついつい明日あさってにまわしてしまうクセを
なんとかしないと。
時間がかかる、どうしようと思っているときに
買取のご依頼があればついつい飛んでいきたくなる。
市場に何か本が出ているかもしれないと思うと、
ついつい足を運びたくなる。
夏休みの宿題を明日やろう明日やろうと
思い続けている小学生のようだ。

時間がとれないのならば、何かを削らないといけない。
では、何を削ればいいのか。

受注・発送は第一優先。

市場を省くことは私には考えられない。
自分がまず欲しいもの、売りたいものを確保するためには、
市場に行かないと。否、行きたくてならないのである。
本との出会いが楽しくてならない。
日がわりで何が出てくるかわからないのである。
そんな中、さまざまなものを見ながら、
財布と相談して買うことができるのである。
資金にゆとりがあるなら、これほど楽しいことはない。
他店さんとお会いでき、お話できるのも心の支え。
ふだんひとりでやっている身には、とても励みになる。

ただし、何百冊も重ねてある大山に
自分の欲しい本が3-4冊あった場合、
欲しい本以外の不要本をどうするのか。よく考えないといけない。
自分が必要な本だけ抜いてあとは神保町のほかの曜日に出す?
そのためには、ある程度、売れる本を加えたり、
出品のために本の種類を編集し直したりと
手間や作業が必要だろう。
そうなるといったん自宅か倉庫(店舗があれば店舗)に
持ち帰る必要があるだろう。
そんなことをやっている余裕がないなら、
不要本は思い切って処分するしかないのだろうか。
神保町の古書会館の場合、本を廃棄するためには
廃棄チケットを買って貼り付ける制度。つまり処分は有料である。
セコい私としては、ほかの市場に持っていけば
いくらかで売れることを知っているので、
小さい車を操ってセコセコ運ぶのである。
びゅんびゅん飛ばす大型車に混じって
夜の首都高速、環七、環八…。
いつか事故で死ぬのではないか、
後ろに積んだ本の山が崩れて事故を起こすのないかと怯えながら
運転するのである。

これ以上、当店が増やさないようにしないとと思うのは催事かな。
催事は楽しい。
催事は大変だが、ある程度の売り上げにはつながりやすい。
仕入れ・買取のための資金が欲しいので、
本当はもっとやりたいぐらい。
しかし、やってみると重労働だなあ。
思ったより準備に時間がかかる。
思ったより腰にくるなあ。
思ったより本が傷むしなあ。
確実に回転しやすい本しか出しにくいなあ。
ネットだけでやっていると、
お客様に直接お目にかかれる催事は楽しいなあ。
でも、増やしたらいよいよやっていけないだろうなあ。

店舗が欲しいなあ。
週2-3度ぐらいのペースでお客さんと
直接やりとりができる店が欲しい。
入力なしに、本を並べられる場所が欲しい。
お客さんに直接、本を手をとっていただき、ご覧いただける場所が欲しい。
お客さんとお話したいし、情報交換させていただきたいなあ。
しかし、店舗は店舗で維持していくためには、
お金も時間も労力も必要だなあ。
実は最近、店舗をやることになりかかったのだが、
残念ながら計画頓挫した。無念である。
今はまだ時期ではないということなのだろうと思った。
立地・面積・内装など条件がよくなればなるほどお金がかかるし、
売り上げを伸ばすためにはどうしたらいいのか、
今よりもっともっと悩まないといけないのだろう。
ひとりでできることって、限界があると思う。
では、何をとって、何を削るか。

日々、取捨選択の連続で人は生きている。

こんなふうに書いている間に入力せよ、
画像を取り込め、と天の声が聞こえてきたよ。さいなら。

追記 こう書いていてふっとメールを受信してみると、
急ぎの問い合わせが入っていた。
映画の撮影で必要だそうである。
他店にも同じメールが届いたのだろうなあ。
昭和21年の出版社限定、絵本。
ええええ、ご用意できますよ(ひそかに胸を張る)。
さまざまなニーズにおこたえするためにも、
何をおいてでも本は用意し続けなければいけない。
好きな本を扱っていないと、きついだろうなあ。

そうこうしているうちに、
お近くの方から買取のご依頼をいただいた。
明日行くお約束をした。
金沢の方からもご依頼をいただいていて、
できれば飛んでいきたいのだが、
もうちょっと近ければね…。

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