2006年05月30日

コクテイル

28日は、買取の査定。そして、月末支払いのあれこれ。

夜7時ごろ、高円寺文庫センターへ。
岡崎武志さんの「気まぐれ古書店紀行」2刷があるかどうか尋ねたところ、
店主さん(?)
「こんなにたくさん積んであったはずだけど、あれ? ないなあ」
と熱心に探してくださった。
結局ほとんど売れてしまったようで、1冊しか残っていないと判明。
すでにサイン入り。
サイン入りでないほうがよかったので、やめておく。

前に初版を、家人と半額ずつ出し合って買ったのに、
私だけが岡崎さんに似顔絵を描いていただいた。
家人は「オレも描いてもらいたかった」と、ちょっと不服そう。
それで、2刷分には、家人の似顔絵を描いていただけたらいいねと相談していたのだ。

高円寺文庫センターには古書、CD、雑貨もある。
品揃え、陳列などに工夫をこらし、若い人でにぎわっている。
欲しい本が次々に見つかってしまうオソロシイ店。チェコ関連の本2冊購入。

コクテイルへ行くと、すでに岡崎武志さん、
文科系女子メガネコンビ「カネコウノ」がスタンバっていた。

古本界のお笑いコンビ「カネコウノ」こと金子さんと河野さんが、
師匠岡崎武志にぶつける50の質問ーーー。

「浮気をしたことはありますか」
「岡崎さんの書庫にベッドがありますが、夫婦一緒に寝ないんですか」などなど、
どんな質問にもきちんと答える岡崎さん。
もっと軽いノリでおもしろおかしく答える光景を想像していたが、違った。
カネコウノのふたりーー金子さん河野さんは師匠に何をどう聞けばいいのか、
ずいぶん前から悩み、コクテイル狩野さんに相談したり、
質問を練りに練っていた様子。
ふたりの労をねぎらうかのように、
ひとつひとつの質問にしっかり耳を傾け、誠実にこたえようとする岡崎さん。
ちょっとダラダラしそうになると一問一答が挿入されたりと変化をつけてあり、
構成もよかった。
何よりも、師弟三人の結束感が、
コクテイルのあかりのように暖かく伝わってきた。

以下、メモしてきた問いと答え。
飲みながらメモしていたため、間違いがありましたら失礼。
よかったら、どなたかご訂正くださいね。

●好きな言葉は?ーー105円(会場、笑い)

●好きな作家5人ーー志賀直哉、梶井基次郎、庄野潤三、開高健、木山捷平。
そういえば、卒論は志賀直哉論だったということが、
「気まぐれ〜」古書 一路さんとの話に出てきましたね。

●文章を書くうえで影響を受けたのは?−−丸谷才一、開高健、川本三郎。
 「文章のリズム感といいますかね、音楽といった感じで」

●好きな映画ーー男と女(クロード・ルルーシュ) 麦秋(小津安二郎)

●海外で行きたいところーードーヴィル(「男と女」の舞台)。「ミーハーだけど」

●亡くなった人で、取材したかった人ーー(「そうですね〜。たくさんいますけどねえ、
だれかなあ」とかなり考えて)
「田中小実昌。試写室などでよくお見掛けしていて、話してみたかった」

●よく見る夢ーー「電車関係。取材に行くとき、遅刻して
電車に乗り遅れたらどうしようなどと、よく心配しているからでしょう」

●犯しやすそうな罪ーー(即答)「盗作でしょう。
何かの拍子で、読んだことが無意識に出てしまうかも」

●前世があるとしたら何だったと思いますか?ーー
「カバとか。一週間でもヌターっとしていられるほうなので」

岡崎さんのブログから、お嬢さんとのやりとりを抜粋したものを金子さんが用意。
「付箋がついているところを読んでみてください」ということで、岡崎さんが読み上げる。

笑って笑って、やがて、ほろり。会場から大拍手。
「それ、よかったらどうぞ」と金子さんが師匠に差し上げて、
岡崎さんもヤラれたなあという感じの笑顔。
みごとな演出。さすが、カネコウノ。タダモノじゃないね。

「本を出すなんて無理だと思っていて、自分の本を出すのが夢でしたから。
かなった時点でもういいかなと。いつ死んでもいい、みたいな」
「古本は掘っても掘っても出てくる宝箱」
といった言葉も印象的。

会場に集まった人へのプレゼントは、ジャンケンで決まった。
集英社文庫「風に吹かれて」(五木寛之 装幀・佐野繁次郎)、
すみません、私、いただいてしまいました。いいのでしょうか。
岡崎さんがご持参になったものか、
晩鮭亭さんがお持ちになったものか、
どちらかよくわかりませんが、ありがとうございます。

オンライン古書店「黒猫亭」のb.k.ノムラさんご夫妻と
お目にかかれたのも、この日、ひじょうにうれしかったこと。
ノムラさんは、コクテイルのWEB制作担当でもあります。

そうそう、「気まぐれ古書店紀行」2刷はコクテイルにあった分を購入。
岡崎さんに念願の似顔絵を描いていただいた家人、
岡崎さんとジャズ話などさせていただく。

なかなかすべての人とお話できなくて残念だけれども、
コクテイル、なぜ居心地がいいのだろう?
店を終えてやってきた石田書房さん、金子さん、
家人、私、そして店の狩野さんほか終電ぎりぎりまで
飲んでしゃべって。帰宅したのは2時。


(photo by Mongo。2点とも)

翌29日、あまり仕事ができず、発送もお急ぎの方の分をどうにかこうにか。
すぐお送りできなかった方、申し訳ありません。
30日から身を引き締めてやっていきます。

岡崎さんが京都の古書展のとき、
崖書房でトーク・イベントをなさるそうですが、いつでしょう?
話をしていて、うっかり日にちを聞きそびれてしまった。
藤田嗣治を見たいし、時期をあわせて行こうかなあ。
京都の古書展も行ってみたいしね。

投稿者 tomoko : 2006年05月30日 00:05 | トラックバック
コメント

リポートありがとうございました。けっこう真面目に答え過ぎましたかね。まあ、一つの試みとして、よしとしてもらいましょう。海ねこさんの旦那さんと喋れてよかったです。音楽の話は、文学の話より肩がこらなくていいですね。京都ガケのイベントは6月11日、下鴨古本市の初日です。ぜひいらしてください。京都でまた盛り上がりましょう。

Posted by: 岡崎武志 : 2006年05月30日 13:59

ああ、11日!
西荻ブックマークの沼辺信一さんトークショーと
重なってしまいました。
西荻のほう、もう申し込みズミでした。
残念ですが、また盛り上がりましょう。
良い時間をどうもありがとうございました。
家人が書いていたように(トラックバックしました)、人間としての弱い部分まで
さりげないやりとりから感じられ、
小説か映画のようでした。

Posted by: 海ねこ : 2006年05月30日 14:55

海ねこさん、体調はいかが?
日曜夜はご一緒できて楽しゅうございました。
さすがのレポート、客観的に見ることができなかったので、
ふむふむ、そういう感じだったのかーと
なんとなく会場のみなさんがどう感じていらしたかを
知ることができました。

「風に吹かれて」は海ねこさんがゲットしたんですね。
もう、ボーっとしていて覚えてない(笑)
私は「ブ」でゲットするまでがんばります。

Posted by: かねこ : 2006年05月31日 01:31

お気楽な観客で、すみませーん(笑)。
いや、本当によかったです。
会場にいた人は大半、そう思ったんじゃないかな。
どうでしょう。
準備も含め、お疲れさまでした。
カネコウノ(かねこうの? これって、どっち?)の
未来は明るいぞ。

Posted by: 海ねこ : 2006年05月31日 01:48
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