2.チャールズ・キーピングという人(10/17 13:40)


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 好き嫌いのハッキリ分かれるチャールズ・キーピング。
実は、海ねこは、かねてより心ひかれて集めてまいりました。
万人受けするものよりむしろ、好きな人はたまらなく好き、といったものが個人的には好みです。
そういうものこそ、扱っていきたい。そんな店があってもいいじゃないですか。
 嫌いな人に別に無理に押し付ける気はありませんが、
ご存じない方には、一度お手にとってみては、と思う次第です。

 絵柄の重苦しさ、一筋縄ではいかない難解さ、などから敬遠する人もいるのですが、
これほど、繊細にしてダイナミック、
詩的ともいえる独自の世界観を貫こうとした人もいないのでは?
光は闇があってこそ輝く、闇あってこその光、いう話を思い出させられます。
 長年、じっくり支え続けたOxford University Pressもスゴイと思う。

 チャールズ・キーピング(Charles Keeping 1924年〜1988年)は
ロンドンの下町、ランベス生まれ。
14歳のとき印刷所へ奉公に出され、技師として働いたのち海軍へ従事。
海軍退役後の5年間、リーゼントストリート工芸学校で、リトグラフ、エッチングを学びました。
そののち、作家として活動しながら、同校で石版を教えていた時期も。
 サトクリフ作品の挿絵などでも有名ですが、自ら文章・絵ともに手掛けた絵本も多数。
絵本では、自身の少年時代の体験をもとに、多感な子どもの心を描き続けました。
一貫して舞台としたのは、自らが働きながら生まれ育った下町でした。

"Charley, Charlotte and the Golden Canary"(日本語版「しあわせどおりのカナリヤ」)で1967年ケイト・グリーナウェイ賞、
また"The Highwayman"1981年にも同賞を受賞。
1975年には"Railway Passage"(日本語版「たそがれえきのひとびと」)でBIB金のりんご賞を受賞しました。

ごく一部ではありますが、作品を紹介します。

<画像:keeping shiawase.jpg>

↑"Charley, Charlotte and the Golden Canary"1967年。
日本語版「しあわせどおりのカナリヤ」。
移り変わってゆく街に暮らす少年少女。カナリヤを通して二人は・・・。
もっとも入りやすいので、キーピングの入門にもオスススメ。

<画像:keeping alfie.jpg>
↑"Alfie and the Ferryboat"(日本語版「アルフィーとフェリーボート」)1968年。
テムズ川の川岸、砂糖工場の裏に住むアルフィー少年。
毎週金曜ごとにやってくるバンティおじさんは、すりきれたレコードを古びた蓄音機でかけます。
そして、船乗りだったころ、冒険をした話をしてくれました。
キーピングのおじいさんも、やはり船乗りで、すぐれたストーリングテラーだったそうです。
日本語版は、神宮輝夫・訳。

<画像:keeping christmas.jpg>
↑"The Christmas Story"1968年。
カバーにはこんな紹介文が。
Charles Keeping has been illustrating books for  about twelve years,
and has come to be recognised as one of the outstanding English artists in this field."
(キーピングは12年間ほど、絵本を作り続けてきて、
この分野において、卓越した英語のアーティストの一人として認識されるようになってきました")
やはり、個性的すぎるというのか、英国でも、そうそう簡単に売れたわけではない、ようです。


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