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初めての体験

以前から某店に誘っていただいていたのだが、
ようやく早起きすることができた。
朝5時半起きで、とある市に参加した。
夜型の自分にとって、ほぼ徹夜に近い。
朦朧とした頭で、土砂降りの中を運転。
朝8時ごろから(ほかの人は7時半ごろから)
午後2時すぎまでずーっと市場で過ごした。

よく見知っている人もいれば、
顔だけ知っている人もいれば、
初めての人も大勢いた。
初めての人の中には、
あー、あのお店だあ、と、店名なら知っている人が結構いた。

お寺の墓地すぐそばに駐車。
雨が上がるとむぅーっと草いきれ。
アゲハチョウが舞う道をくねくね歩いて、
競りの小屋と行き来する。

とある女優のファンがおそらく生涯をかけて
こつこつ蒐集したのであろう
膨大なグッズが会場を埋め尽くした。

古い紙の刷り物に
あの店もこの店も声を張り上げていた。
色鮮やかな時代ものスゴロクを
あれほど次から次へと見たのは、生まれて初めて。
振り手さんが
「昔は、こういうもので楽しんでたんだよねー。
粋だよねー」
と、つぶやいたのがよかった。

歴史的瞬間をとらえた写真、記録の手紙が
瞬く間に高額に競りあがった。

古い紙もの、手紙の束、古い写真、古いアルバム、
古書、古書、古書・・・。
紙と木で出来た家に住み、
地震・災害大国に住んでいるのに、
よくぞ、古い紙類が残っているものだ。
古い紙類が時代をこえて受け継がれてきた裏には、
代々の古物商たちがいて、
代々、お金を払って買い支えてきた消費者たちがいる。
日本の古物商、古いもの好き、万歳だ。

市の光景が独特だった。
あの顔ぶれで、あのような古い紙たち、
あのような古書たちが、売り買いされているのだなあ。
夢か現か、異次元空間を彷徨うようだった。
市場ごとに歴史が培ってきた慣習があり、
ルールが異なるのも興味深い。
知らない世界をまたひとつ知った思い。
各地で、日々さまざまな市場が行われているのだろうなあ。

流通のしくみに疎いまま生きてきてしまった自分は、
三十路、四十路、新たに生き直しているような感がある。

以前しばしば通っていた市場に最近、欠席がちだ。
経営員の方にお誘いいただいているのに、
悪いなあ、残念だなあと思っている。
雰囲気が大好きなので、本当は行きたいんだけれど。
ただ、できるだけ中央市会と明治古典会に通っているため、
さらに月曜・水曜だと、
お金と時間がついていかないのです。とくに「お金」が。

私のように古書に対する知識が浅いと、
振り市に行くたび、ついつい勢いで発声して買うのだが、
衝動買いしすぎて失敗。悔やんでも時すでに遅しということが多い。
店にとっての適量を上手に買えるようになったらまた行きたい。

今日の市場は月一度だけだし、
自分とバッティングする店がさほど多いわけでなく、
かといって、ドカドカ大量に買えるわけではなく、
自分のような規模の店には有難い。
まだわからないが、また行ってみるかもしれない。

知らない場所に行くには、きっかけが必要だ。
お誘いくださって、一から教えてくださった某店に感謝。
(市場には市場ごとの流儀があると思う。
あまり公にすべきでないようで、
これでも書き過ぎているようでしたら注意してください。
場合によっては丸ごと削除しますので)

それにしても、
どこの市場に行っても、女性が少ない。
この私であっても若い女性扱いしてもらって
親切にしていただきました。
同性異性を問わず、さまざまな人に
きちんと礼儀正しく接していくよう心がけよう。

あとは、自分の店にしまいこむのではなく、
どうにかして商品化して、流通させていくこと。
商品を自分のところで止めてしまわないで、
欲しい人のもとに届けてこそ、流通のシステムだということ。
これが当店にとっての大きな課題。
どうにかしなければと常々思っていて、
「日本の古本屋」ももっと活用させてもらおうと思う。
よくわからないタグと格闘しています。

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2007年08月02日 18:15に投稿されたエントリーのページです。

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