1 日々の暮し: 2008年9月アーカイブ

「いのちがあと五日しかなかったら」三年 田中敦子

自動車にのっていろんなとこへいく
べんきょうなんかぜったいせえへん
あそんであそんであそびまくる
もし おかあさんが
「べんきょうせい」といったら
「どうせしぬんやからあそぶ」というて
たらふくあそぶ
マンガの本よんで
マンガばっかりかいて
一日中いい気でくらす
おすし三ばい
うなぎどんぶり六ぱい
おこのみやき十まい
ドロップ五十二こ
おいしいもんいっぱいたべる
テレビはわたしのすきなもんかける
しんだらつめはいらんから
足のつめも手のつめも
みんなかんでやる

(「せんせい きらいになれ」灰谷健次郎 理論社・65年)
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最後の3行が好き。「一日中いい気で」ってのも。いいなあー。
「正念場」とか書きながら、ぜんぜん違うことばかりしてしまう。
時間制限を自分で自分に課すべく、夜何時どこどこって誰かと約束しておけばよかった。
いかんですなあ。「正念場」というより「少年場」って気分。
上の詩は、本日送り出す本より、抜粋させていただきました。

景気上向き? 周辺で開店ラッシュです。
自分のことのようにうれしいです。めでたし!

阿佐ヶ谷・中杉通りに開店したばかりの
ロシア雑貨店「パルク」。
店主Nさんには、ずっとロシア絵本の件で(ときどき飲み会でも)お世話になっておりました。
とっても賢くてかわいい人。そして、ロック魂の持ち主。きっと上手に店を展開させていくことでしょう。
http://russianzakkapark.blogspot.com/

紙モノ、文房具などを扱う「ハチマクラ」の店主さんに
先日お目にかかりました。ご主人が、知る人ぞ知るあの方と聞いてビックリ。

http://hachimakura.com/index.html


「パルク」「ハチマクラ」。阿佐ヶ谷・高円寺と、ハシゴしてぜひ伺ってみたいです。

それから、高円寺コクテイルで活躍していた
コウケさんがついに! 自分の店をオープン。
大の相撲好きらしく、店名は「番狂せ」。
新宿荒木町、最寄り駅は四谷三丁目のようです。

コウケさんはとても良い写真を撮ります。ギャラリーも兼ねているらしい。
さて、いつ行きましょう。楽しみです。

http://yaplog.jp/bankuru/

しかし、皆さん、すごいです。
子どものころから、
お店というのは、賢くて立派な大人でないとできないのかと思っていました。
いつの間にか、周囲は大人になっていました~。
あ、自分も、ですか。あれ、そうだったんですか、大人だったのですか。
では、友人との飲み会に出かけてきまーす(そんなときばかり"オトナ"になる)。

連休ですが、仕事もしております。チェコ絵本を更新しました。「古本 海ねこ」もどうぞよろしくお願いいたします。

(おぼえがき 近々更新予定 東山魁夷童画展&日月堂さんのイベント&月の湯古本まつり)

映画「グーグーだって猫である」を観た。
水曜、レディースデーで1000円。
レイトショー(日~金の20時以降上映作品)だったので、連れも1200円。

「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心監督である。
音楽・細野晴臣である。
音楽を含め、とても丁寧に作られた映画だった。

主なロケ現場・吉祥寺である。
井の頭公園がたくさん映っていた。

若き日の思い出の断片が画面のそちこちに見つかりすぎて、
平常心でいられなかった。
友人が裕福な親元で暮らしていたころの公園沿いのマンション、
中学時代の同級生が身投げしたあたり・・・。
生まれて初めて異性の友人と歩いた池の周辺。

あれから何年?
20年、30年など、瞬く間に経過するもので、
自分はいったい何をしてきたのだろうか、と愕然としてしまう。

四十すぎの女性ならではの実感を
小泉今日子があそこまで表現できると思わなかった。
さまざまな憂鬱、オリをまとっている感じ。
これまでの体験からわかっているのだ、
言わないでおこうと言葉を呑み込んでしまう感じ・・・。
そして、ゆるやかな希望と、捨てきれない夢と。

もはや何があっても動じない彼女。

原作では、四十代ではなく、五十代かあるいは六十代? キョンキョンが演じたから四十代に見えたまでなんだけれど。ちなみに、今確認したところ、小泉66年生まれ、監督は60年生まれだ。

卵巣ガンだとアシスタントに初めて告げ、ねこの世話を頼みにいくシーン。
思いをこらえていたアシスタントが
帰りがけの主人公にアパート前で飛びつく。子供のようにワンワン泣く。
「大丈夫! 大丈夫だから!」と、全編を通して唯一、声を張りあげた主人公。
まるで自分に言い聞かせるかのようだった。

アシスタント役のひとりが上野樹里。子どものころから感情をストレートに外に出すタイプで、
二十代ならではの勢い・無謀ぶり・荒削りな輝きを上野が好演。
小泉今日子との対比が鮮やか。くらくらきた。

グーグーほか、ねこら好演。
ねこのアップ、間違いなく撮影は長時間に及んだであろうに。
ねこの寝姿だけは、いまいちだった。
さすがに撮影現場で、全身リラックスで熟睡できるねこはいないんだろうな。

しかし、今日見たメールにはたまげた。
5日昼に発送した本がまだ届いていないと、お客様からのご連絡。
郵便事故だろうか。
もしもそうだとしたら5年間で2度めである。大変低い確率であってもゼロではないのだと、久方ぶりに思い出させられた。
郵便局に相談しにいかなければ。

かわりのものがない古書なのだ。お客様が永らく探していらした本だった。

毎日、郵便局を信頼して発送しているのだが、事故が起こるようであれば、
いったい何を信用すればいいのだろうか。

全品、宅配で送るべきなのだろうか。その差額は誰が出すのか。
すべて投げ出したくなるような、それでも、もうちょっとやってみようかと思うような。
そんな感情まで含め、小泉今日子のリアルっぽさには参った。

そういえば、子供のころ、田圃だか畑だかを自転車で駆け抜けるシーンが
二度だっけ、出てきたな。

 

9月8日は共同目録「月曜倶楽部」の締切。
月曜、古書市場なので前日、なんとか印刷所にメール送信。
できるだけ珍しいものをと気合いだけはこめたつもりですが、
ここ最近、買取でお世話になった方々のおかげでなんとか行を埋めた部分もあり。
安堵する間もなく、僅か2週間先に今度は「本の散歩展」目録の締切が・・・。
目録づくりは編集的な作業で、結構好き。
気合でいきますが、どうかな、なんとかなるかな、ダメかな。
次号「月曜倶楽部」はおそらく9月25日ごろ完成予定らしいです。
そのころ、当店HPでもご紹介しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

わずか104行、されど104行。
目録ひとつ、ようやく終えたプチ達成感。
オンライン古書店だと、自分で休みや営業時間を設定でもしない限り、
いつまでたっても仕事、仕事となりがちだ。
しかし、人間誰しもオン・オフ、緊張と弛緩が大事なはず。

さて、一日でもっとも幸福な時間が降りてきた。

夜寝る前の読書タイム。わが時間であります。

同時進行で読んでいるもの。

●ゆめはるか吉屋信子 田辺聖子(延長戦で手元に待機中なのが「地の果まで」(吉屋信子 北光書房)。
●都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト 澁澤龍彦(その延長で、R書林お勧めの「高丘親王航海記」を次に読むつもり)

●堀内さん(堀内事務所 非売品 97年)
●のだめ カンタービレ(貸してくれてありがとう、オペラ嬢さん)
そして、昨日、往来座の外市で購入したこれも加わる。
●大阪京都死闘篇 武藤良子

現在のBGMはAvishai Cohen"As Is・・・Live At The Blue Note"

「このベース、だれ? すごい良いね」と聞いたら「前も同じこと言ってたよ」と家の者に言われた。

古い本は、すぐ売れなくても慌てない、焦らない。
ただでさえ、時代をかいくぐって今日まで残ってきている本なのだ。
良いなと思ったものを選んでおけば、
きっと、どこかに同じように感じている人がいる。
いつかは、持つべき人のもとへとたどりつく宿命にあるようだ。

このほど、検索でたどりついた方からご注文をいただいた。

「・・・しかしまあ、こんな本がようありましたね・・・すごいですね」
と、メールに書いていただく。

5年ほど前にコピーをようやく入手されたそうだが、実物があるとは、と驚いたそうだ。
何か情報がないかと、ときどき検索をかけていて、
探しあててくださったらしい。

自分がいいと思ったものに、どなたかが反応してくださる。
その瞬間、本の作り手、過去の売り手、かつて所有していた人、今この時代に生きるどなたか、
そして、私がつながりあう。

あと50年もたったら、私が書いているこのような文章はどこにも残っていないだろう。

それでも、私のような思いをする人は、きっといることだろう。

先頃、先輩書店N堂さんから
「自分がいいと思ったら、それでいいんです。自信を持てばいい」と言われた。
「私は人目を気にしすぎ?」と聞いたら否定されなかった。

まだまだN堂さんのようにはいかないが、
今日も何か、いいなと思えるものと巡り合えるだろうか。
そんなわけで古書市場に行ってきます。

晴れ。洗濯・掃除をして、メール対応しながら、NHKに出演していた樋口可南子を見る。いいなあ、サバサバしていて、なんて素敵なんだろう。ショートヘア、いいなあ。「和服にも洋服にも似合うから。3週間に一度、今日しかない、という日が来るので、その日に絶対カットに行きます」とのこと。

お客様にお待ちいただいていた買取査定をして、
本日の梱包・発送を完了。
公費購入ご希望の分は、見積書、納品書、請求書を3通つけて
本の注文者と別の部署あて、別便で送る。

西荻窪へ。

昨日、O館のHさんからちょっと魅力的なご提案をいただいたため。
が、Hさん、本日は休みで不在とのこと。
アポなしで勝手に行ったのだから、ぜんぜん構わない。

せっかく西荻窪に来たので、G屋へ立ち寄らない手はない。

ちょうどSさんがいた。

Sさん、なにやら紅潮ぎみ。
1冊の本を愛しむように手にとっては、
「今日、見本ができてきたの」と何度もつぶやく。

「どうかな、これ?
ダメ? ダメ?」と確認される。

ちょっと意外だったが、装丁を担当するのはまだ2冊めなんだとか。
それまでは、決まったスペースにあてはまるよう絵を用意したのみ。
帯も含め、紙の種類・色の選択まですべてまかせてもらえるようになったのは
2冊めなのだという。

今回、デザインはココアの缶をイメージしている。
予算の関係で妥協せざるを得ない部分もあったそうだが、描き文字といい、独特の色づかいといい、温かみがあります。4色印刷だから金色はきちんと再現できないのを承知で、あえて原画には部分的に金色を使っているのだという。タイトルや、王冠の周辺に。

帯をはずすと、表1、表4ともに、隠れている絵が現れる。

ぱらぱらめくったら面白そうなので買うことに決めた。ソフトカバーで2400円とちょっと高いですけれど、内容盛りだくさんで持っておきたい本だと直感。

書名は『雑談王 岡崎武志バラエティ・ブック』(晶文社)。
9月20日発売だが、東京の書店には、もっと早くから書店に並びそうとのこと。

Sさんに椅子をすすめてもらって、ぽつぽつと話している間に
ぱらぱらレジに来るお客さん。

G屋は、本当に本の品揃えがよく、しかも、お手頃価格だと思う。
本日は某国の絵本(ハードカバー)、某国の絵本(ペーパーバック)を購入。
2冊合計3000円。古書の相場から見たら、驚くほど手頃な値段。

たまたま自分がいた時間帯、レジにやってくるお客さんは、
大抵、100円、200円、高くても1000円ぐらいの買い物が多いようだった。
毎日のようにふらりと立ち寄っては買っていく人も多いのだろう。
いまどき、100円、200円で楽しませてくれる古書は本当に凄い。

でも、店舗をやる側からしたら、
本の仕入れ代+十数万の家賃+電気代やら電話代やら何やらの経費を払うだけでも大変だなあ。G屋は偉いなあ。
西荻窪の古書店、皆さん、どうやって続けているのでしょうか。

200円の文庫をお買い上げになり、千円札を出して
「お釣はいいです。これ(とスピーカーのほうを指さして)いいね」と去っていった紳士、カッコよかった。
ちょっと驚いたけれど。
ちなみに、BGMは、ふちがみとふなと、でした。

ちょっと飲んでしまったので、N文庫に立ち寄るのは我慢しました。

新着本にかかりたかったのですが、すみません、またやります。よろしくお願いいたします。

堀内誠一の追悼文集「堀内さん」(堀内事務所)を読んでいる。
私の本ではないのだが、お借りして読んでいる。

北尾トロさんのメルマガによれば、「本の家」の海ねこ棚(9月15日まで)から買ってくださった絵本をお嬢さんと楽しんでくれたそうだ。よかった! と素直に自分も喜ぶ。

買取の査定をお知らせしたお客様から承諾のメールをいただく。ご納得いただけたようで、安堵。お譲りいただいたのは、海ねこのお客様がお好きそうな洋書絵本が中心。1冊1冊、解説文をつけないとダメそうだからすぐには更新できそうにないが、きっとお好きな人がいるであろう本たちだ。

当方、買取は見積もりも査定もちょっと時間をいただく。ご連絡は、おひとりおひとり、まったく違う文面になる。心をこめるぐらいしか、自分にできることがない。

最近、「日本の古本屋」の登録件数を千件から三千件に変更した。
海ねこHPで動きがよくないものでも「日本の古本屋」だと動きやすいものがある
(その逆もあるので、どちらもやめられない)ため、
時間ができれば少しずつコツコツ登録する。
実を言うと、まだ850件ぐらいしか入っていないのだが、
月末に申告しないと件数変更ができないシステムなのだ。
月半ばあたりで千件に達してしまったら、その後、困るので早めに変更しておいた。
というわけで、自分の店に関して言うと、日本の古本屋の経費が値上がりした。

店を始めるころ、先輩書店から言われたのは
「経費がどんどんかかるようになるので、店を回転させていくのが楽になるということはない。
やればやるほど大変になっていくよ」ということ。
驚いた。まさにそのとおりになってきたから。

当方の場合、やればやるほど、お客様から教わることも多く、
市場で見聞きしたり、あれこれ覚えることもあって、
市場で欲しいものがどんどん増えてきた。
集めれば集めるほど、さらに集めたくなってくるので、
お金がいくらあっても足りない。
そもそも某店のように裕福ではない、
無尽蔵に資金があるわけではないのに、大丈夫なんでしょうか?

買取も、次第に蒐集家の方から
値段のはる本をお譲りいただけるようになってきて、
できるだけきちんとお支払いしたい。なので、こちらも結構かかる。

売り上げが伸びても、さらに経費がかかる。
そして、お客様とメールでやりとりすることが増えると、
メールでの複雑なやりとりも増える。
本のダメージをお客様に伝える難しさ・・・、
実物があれば、お客様にその場でお見せすれば済むことなのに、
言葉で伝えるとなると、いったい何をどうお伝えすればいいのか、
頭を抱えて、とにかく文面を綴る。
わかっていただきやすいよう、心を砕く。

個別のご希望にできるだけ丁寧に対応していきたいが、
どうしても壁もある・・・。

営業時間がない、定休日がない。
ネットとメールを頼りに、いったいどれだけのことができるのか。
将来的にはずっとずっとネット古書店としてやっていけるのかどうか。
対面販売か。
あるいは、自家目録販売がよいのか。
相変わらず模索し続けている。

苦労を見せないのがいいと思うのに、
日々の楽しい話題や気楽な話題だけでスマートにお見せすればいいのに、あえて書いてしまった。
古書店をやっていくということを体験的にお伝えしたかったので
見苦しい点、ご容赦ください。

これから梱包・発送をして、ご注文の対応をして、午後から古書市場に行ってきます。
ネット相手にひとりでやっていると、
市場で古書をたくさん手にとって、仲間とたわいない会話をかわすだけで
ずいぶん気が紛れるものだ。
オリンピック選手でもエドはるみでもないけど、
自分の力でこうしてやっていられるわけでなく、
周囲の方のおかげでなんとかやってます。

堀内誠一の周囲の人のように
「あのころはおもしろかったね」と言い合える日が来るといい。